2024年03月28日
君語らずば秘めて狂おし 源宗于4 #matsushitasaeko #松下紗栄子
ーーー命婦がもとにつかはしける
よそながら
思ひしよりも夏の夜の
見はてぬ夢ぞはかなかりける(新勅撰1378)
_源宗于
【通釈】逢わずに想っていた時よりも、、ようやくに会えて、一緒にいた時間は、夏の夜の見果てぬ夢のように、儚いほど短く思える逢瀬でした
短くも
燃えて狂おし夢の夜
秋の終わりのはじめてひと
_四代目金長
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2024年03月20日
君語らずば秘めて狂おし 源宗于3 #matsushitasaeko #松下紗栄子
ーーー題しらず
逢はずして
今宵明けなば春の日の
長くや人をつらしと思はむ(古今624)
_源宗于
【通釈】逢えないままこの夜が明けたら、また春の永い一日が始まる―、、、長く、いつまでも、私は恋人を無情だと恨むだろう。
【補記】女の立場で詠む。
雨風の
時の流れの狭間にて
およばぬ思い春に託して
_四代目金長
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2024年03月10日
君語らずば秘めて狂おし 源宗于2 #matsushitasaeko #松下紗栄子
ーーーからうじて逢ひ知りて侍りける人に、つつむことありて、逢ひがたく侍りければ
あづまぢの
小夜(さや)の中山なかなかに
逢ひ見てのちぞわびしかりける(後撰507)
_源宗于
【通釈】小夜の中山ではないが、苦労を越えてやっと逢えた人なのに、再び逢い難くなってしまい、かえって逢ってからの方がわびしさが増さることだ。
【補記】詞書の「つつむことありて」は、「何か障害があって」の意。
「小夜の中山」は遠江国の歌枕。箱根に次ぐ東海道の難所。同音反復で「なかなか」を導く。
侘しさを
越えてなおまつ山の端の
松の緑も枯れし想いぞ
_四代目金長
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